Language as a Global Recognizer

人類の言語進化の仮説の一つに「音列と状況の相互分節化仮説」があります。人類の祖先は、複雑な音列と状況の分節化能力を駆使した他者とのインタラクションの中で複雑な言語を形成してきたとする仮説です。この仮説に基づく計算論モデルを構築し、これを実装したロボットを用いた実験から構成論的に仮説を検証します。本研究は、JSPS 科研費 新学術領域研究「共創的コミュニケーションのための言語進化学」(領域番号4903,課題番号17H06379)の支援を受けて実施しております。

Transfer Learning and Active Learning based on Spatial Concept Model for Human Support Robots

キッチンやリビングといった単語で表現される場所は家庭毎に異なります。こういった場所に関するローカルな知識を各家庭でボトムアップに効率的に獲得するために場所概念の転移学習、能動学習のアルゴリズムを構築します。これにより、ユーザとの少ない言語コミュニケーションのみでロボットによる空間の理解を可能とします。本研究は、トヨタ自動車との共同研究としてHSR(Human Support Robot)コミュニティの支援を受けて実施しております。

Cognitive Model to Acquire Prototype of Concept

概念のプロトタイプとは、概念に特徴的な属性を多数持つ代表的な事例であり、人間の認知過程において、事物のカテゴリゼーションや未観測情報の予測において重要な役割を果たしている。これにより、「キッチン」における物体の典型性はゴミ箱よりもシンクが高く、「ミーティングルーム」における位置の典型性はテーブルの周囲が高いといった知識の獲得が可能となる。本研究は、JSPS 科研費 若手研究「概念のプロトタイプ獲得を可能とするロボットの認知モデルの構築と大規模転移学習」(18K18134)の支援を受けて実施しております。

World Robot Summit, Service Category

上記研究の社会実装の取り組みとして、経済産業省主催の知能ロボットの大会であるWorld Robot Summit, Service Categoryに出場している。同大会では、セブンイレブン、トヨタ自動車がスポンサーとなり、未来のコンビニエンスストア、家庭環境でサービスを提供するロボットの知能と身体能力を競う。2018年に開催されたWRS2018においては、共同研究を進めるNAIS、Panasonic、大阪工業大学、岡山県立大学、玉川大学と合同チームを形成し、Future Convenience Store Challenge, Partner Robot Challenge (Real), Partner Robot Challenge (Virtual)に出場し、NEDO理事長賞、計測自動制御学会賞、WRS実行委員長賞など多数の賞を受賞した。本取り組みは、立命館大学の研究支援プロジェクトR-GIROの支援を受けて実施しております。